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AWSへのWeb基盤移行の事例

導入事例(味の素株式会社様)

味の素株式会社様

本社所在地: 〒104-8315 東京都中央区京橋一丁目15番1号
創業: 1909年5月20日
設立: 1925年12月17日
味の素グループは、お客様に役立つ独自の価値を創出し続ける 「グローバル健康貢献企業グループ」 を目指し、 食品分野、バイオファイン分野、医薬・健康分野を軸にさまざまな事業を展開しています。

Web基盤を段階的に移行

はじめに、今回のプロジェクトの概要について教えてください。

半井様:味の素グループでは、全世界に数百のWebサイトを保有しています。マネージメント可能なWeb基盤をAWS上で整備して、これらを運用することをめざし、3段階に分けてAWSへ移行する計画を立てています。
今回移行の対象となっているのは、そのうちの最初のステップで、26ドメインのお客様とのコミュニケーションに使われるWebサイト(企業ホームページ、「Knorr ®」や「Cook Do ®」などのブランドサイト、リクルート情報、CSR・IRサイト)です。
AWS移行計画は以下の3ステップから構成されています。

第1ステップ:横浜データセンタにある味の素株式会社のWebサイト移行

1.ajinomoto.com:味の素グループのコーポレートサイト
2.ajinomoto.co.jp:味の素株式会社の商品情報を中心とするサイト

第2、第3ステップ:国内と海外のグループ会社の約300サイトの移行

第2、第3ステップは難易度が高いのですが、AWSが提供する以下の3つのメリットがプロジェクト推進の役に立つものと考えています。
1.必要に応じて、変動的、短期間でのリソースを設定する迅速にリソースを割り当てる事が可能
2.Webサイト基盤全体にかかるコスト(TCO)削減が可能
3.全世界のリージョンを選択できるため、グローバル展開が容易

Webサイトのガバナンス・セキュリティ強化・お客様情報の統合

どの様な課題があり、導入に踏み切ったのか教えてください。

半井様:課題は大きく分けて2つありました。
1つ目は、約120の法人がバラバラにWebサイトを管理していたため、グループのWebサイトのガバナンス、セキュリティ面を強化、マネージメントしていく必要がありました。これが1つ目の課題です。
2つ目は、お客様の窓口、コミュニケーション部分となるWebサイトが分かれていたことでお客様の情報が分断されていたということ。これを一元化することにより、製品の開発や次回の施策に生かせるようにしたいという課題がありました。

総合的に判断しAWSを高評価

数あるクラウドの中でAWSを選択した理由をお聞かせください。

半井様:もちろん他のクラウドも検討しました。その結果AWSが以下の点で優位であると判断し、採用に踏み切りました。

1.利用者、実績の面での圧倒的な実績
2.セキュリティ面での強み
3.コストメリット

既に導入済みの企業にお話を聞きに行ったりもしました。ユーザー企業が積極的に情報を提供していて、話を聞きやすい点もAWSのメリットですね。
また、各拠点のサーバー管理を委託しているWeb担当の方も「AWSならやってみたい」という反応でした。

AWS専業で将来的にノウハウの移転も考慮

数あるAWSパートナーの中で、サーバーワークスに導入支援をご依頼頂いた理由もお聞かせください。

半井様:パートナーを選択するにあたり、2種類の選択肢がありました。1つは、「巨大戦艦」とでもいうのでしょうか、組織が大きくクラウド以外も取扱い、総合的なサービスを提供している企業。もう一つが、AWSに特化し、ブティック型のサービスを提供する企業です。我々はAWSの導入にあたり「グローバル展開」「標準化」「ガバナンス」を必要としており、NRIシステムテクノのようなグループ企業(※旧味の素システムテクノ)と協調してシステムを運用してゆく中で、将来的には自分達でAWSを理解して、使いこなせるようになりたいと考えていました。その為に必要な技術や知識を持ち、我々と一緒にAWSを限りなく活かして協力してくれる企業が必要でした。
「巨大戦艦」的な会社だと、第2ステップに移った時に、また丸ごとお任せせざるを得ないという懸念があり、ブティック型のパートナーを探していたのです。また、NRIシステムテクノから「サーバーワークスとやりたい」という意向を聞いたことも、大きな後押しになりました。

中原様:NRIシステムテクノは味の素様を支援していきたいのですが、AWSのノウハウは多くありませんでした。そこで、技術的な部分を補完してくれる企業と組みたいと思っていました。AWSの様に基盤に近い技術が当社の我流になってしまうのは良くないので、AWSの良いところ、悪いところを目利きしてくれる企業と一緒にノウハウを蓄積していくことが必要でした。Webサイトの内容や導入実績を見て、これらを満たしてくれるのがサーバーワークスだと判断しました。

既存のシステムからの変更で社内を説得するのに苦労

プロジェクトを進める上で苦労されたところはありますか。

半井様:インフラ運用担当を説得するのに少し苦労がありました。クラウドに移行すると今までの運用方法、例えば、メンテナンスやバックアップ方法を変更する必要があります。また、AWSを利用しているシステムと既存のオンプレミスのシステムをうまく分割して管理しなければいけません。そういった部分で社内の説得が必要でした。
今回は、Webサーバーの移行でしたので他のシステムから切り出しやすかった点は幸いしました。AWSの最初のプロジェクトとして、ここでチャレンジしてみるのはいいのではないかと社内を説得し、導入にこぎ着けました。

大甲様:今回、Team Site(エンタープライズグレードのコンテンツ管理システム)とAutoScaling(AWSが提供する、仮想サーバーが自動で増減する仕組み)の組合せでの導入だったのですがこれは世界でも前例がない組み合わせだったため、導入にあたりかなりの検証が必要だった点は苦労しました。
ですが、AWSではトライアンドエラーもやりやすいので、最終的には無事に解決できました。

維持費を約3割削減

導入の効果について教えてください。

植松様:想定通り維持費を削減(約3割)する事が出来ました。また、Webサーバーのレスポンスが早くなったという声もあります。
さらに、AWS Trusted Advisorが無駄な設定やコストの見直しを定期的に指摘してくれ、余った資源や使ってない資源を減らしたりと、都度構成を見直して最適化を図れています。

中原様:サーバーワークスはプロジェクトの進め方がスピーディーで勉強になりました。走りながら実現性を評価してゆくところが、クラウドらしい柔軟性とスピード感があって良いと思いました。

統一され安定したWeb基盤を2020年のオリンピックまでに

今後の展開について教えてください。

植松様:国内・海外を含めた味の素グループ全体のWeb基盤をAWSに移行して行きます。AWSが提供する様々なセキュリティ機構を用いて、セキュリティレベルも担保されたグループ全体のWeb基盤にして行けたら良いと思っています。2020年のオリンピックまでには、グローバルで統一されたWeb基盤を用いて、世界中のお客様に情報をご提供できるようにしていきたいと考えています。

まとめ

ガバナンス・セキュリティの向上とコスト削減。これらの相反する課題を両立させるためにAWSが最適と判断された味の素様。技術的にもエンタープライズCMSとAutoScalingを組み合わせるなど挑戦も多かったプロジェクトのパートナーに選ばれたサーバーワークスが、AWSの豊富なノウハウと経験をお客様に提供して、お客様の運用セルフサービス化を後押しする事例となった。

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構成図

※ この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数、およその数で記述しています。

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