Cloud Automatorの事例
株式会社BeeX様
BeeXは、「SAP on AWS (SAP基幹システムをAWSなどクラウドサーバー基盤に移行させること)」を主な事業領域とする、クラウドインテグレータです。HOYA、AGC旭硝子、大手流通業など多数のSAP移行実績があります。
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活発化する、SAPのAWS移行
現在、多くの企業で「SAPをAWSに移行する」動きが加速していると聞きました。
はい、ご指摘のとおり、現在、SAPユーザー企業の間で、バージョンアップ時期やインフラ更新時期に合わせて、SAPをAWSなどクラウド基盤に移行する動向が活発化しています。
従来、SAPは大規模なオンプレミス環境で構築するのが一般的でした。しかし、そのような重厚長大な基盤では、「ビジネススピードの加速」「成長に合わせたシステムのスケールアウト」などのニーズに対応することが困難です。
ここで着目されているのが、スピード、柔軟性、コストにおいて優位性があるAWSなどクラウド基盤の活用です。またクラウド化には、「サーバー基盤を資産ではなく費用として計上できる」という利点もあります。
顧客のSAPをAWSに移行させるとき、Cloud Automatorを標準ツールとして提案
BeeXではCloud Automatorをどのように活用していますか。
BeeXでは、「SAPのAWS移行」を行う際に、Cloud Automatorを「AWSの初期設定ツール」「事後の運用保守を自動化するツール」として活用しています。
Cloud Automatorは、顧客への提案段階で、運用ツールとして使用することを提案しています(今までNGになったことはありません)。Cloud AutomatorはBeeXにとって、SAP on AWSという業務を遂行するための「必須の道具」という位置づけになります。
「設計・構築」と「稼働後の運用」でCloud Automatorを活用
Cloud Automatorは具体的にどんな場面で使うのでしょうか。
- コンサルティング
- 概要設計、詳細設計
- AWSなどクラウド基盤の設計、構築
- SAPおよび周辺システムのクラウド基盤への移行(アプリケーションとデータの両方)
- 運用ジョブの実装、テスト
- 移行後の保守、運用
活用の詳細内容は次のとおりです。
行程(5).「運用ジョブの実装、テスト」での活用
運用ジョブの実装に際しては「サーバーの起動・停止ジョブの設定」、「バックアップジョブの設定」、「セキュリティパッチ適用ジョブの設定」などを施す必要があります。これらの設定を、「スクリプトの手書き」ではなく、Cloud Automatorによる「ブラウザ上でのパラメータ指定」により実装します。
行程(6). 「移行後の保守、運用」での活用
AWSの潜在力を引き出すには、AWSのインスタンスやジョブの設定は、「静的で、常に同じ」ではなく、状況に応じて変更させるべきです。たとえば「業務の繁忙期/閑散期に合わせたサーバーのオン/の増強する/削減」「バックアップなど各種ジョブの実行時期の変更」などになります。この他、「ジョブが失敗したときの通知。ジョブ再実行」「AWS環境が当初計画通り運用されているかどうかのレビュー」も行う必要があります。これら動的な運用業務をCloud Automatorを使って自動化します。
Cloud Automatorの価値
BeeXにとってのCloud Automatorの価値(導入効果)を教えてください。
BeeXにとってのCloud Automatorを活用価値は次の3点となります。
価値1. 「スクリプト制作の工数削減、ヒューマンエラー防止、属人性低減」
単にスクリプトを作るというだけが目的ならば、Cloud Automatorは必要ありません。弊社では大半の技術者がAWSの制御スクリプトを自力で書くことができるからです。
しかし顧客に納品するAWSを設定するときはCloud Automatorを使います。目的は、大きく「品質の平準化(属人性の低減)」「ヒューマンエラー防止」「時間コスト削減」の3点です。
スクリプトは手書きでも可能とはいえ、やはりツールのほうが高速に作成できます。SAP移行に使える時間は限られていますから、スクリプト作成のような作業はツールを使って確実・迅速に済ませ、そのぶん設計、コンサルティングなど上流工程に人的、時間的資源を使うほうが適切です。
またスクリプトを毎回、「手書き」で作成する場合、その記述に「ゆらぎ」やヒューマンエラーが含まれていることは否定できません。しかし、ツールを使えばそうした属人性、不確実性を大幅に削減できます。
価値2. 「AWSの細かな仕様変更について専門家に任せることができる」
AWSは進化が速く、仕様の改善(変更)や新サービスの追加が頻繁に発生しています。スクリプトを手書きする場合、それら仕様変更を綿密にウォッチする必要が生じます。しかしCloud Automatorを使えば、それら仕様変更や新機能への対応をサーバーワークスにアウトソースすることが可能になります。
またCloud Automatorはクラウドサービスなので運用の手間、つまり「ジョブ管理用にサーバーを立てた上、それを管理すること」、「ログが蓄積しすぎてハードディスクがパンクしないよう気を付けること」などの運用コストが不要になります。
価値3. 「ジョブ通知機能」
Cloud Automatorには、ジョブの失敗(いわゆる『コケた』状態)が発生した場合、担当者に向けて自動的にメール通知される仕組みが備わっています。設定も容易で大変便利です。一般的なジョブ管理システムでは、ジョブの失敗を検知するために、監視ツールやメールサーバーなどジョブ管理ツールとは別に機能を用意しておく場合があります。しかしCloud Automatorは、それ単体でジョブ失敗の通知までが可能になっています。
先行ユーザーからのアドバイス
現在、Cloud Automatorの導入を検討している企業ユーザーに向けて、Cloud Automator活用のアドバイスなどあればお聞かせください。
AWSについて多少なりとも経験のある方、たとえば「自力でAWSサーバーを立ち上げて、複数台を管理した」という経験のある方は、一度Cloud Automatorを使ってみるのがよいと思います。おそらくCloud Automatorを使えば、驚くほど工数が削減されることが実感できるでしょう。
BeeXでは引き続き、高品質のSAPクラウド移行を顧客に提供していく所存です。サーバーワークスには、BeeXの顧客価値向上の取り組みを、AWSに関する優れた技術、知見、ツールなどを通じて後方支援いただくことを希望します。今後ともよろしくお願いします。
※ この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数、およその数で記述しています。
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