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AWS IoTプラットフォームの構築の事例

導入事例(株式会社マクニカ クラビス カンパニー様)

株式会社マクニカ クラビス カンパニー様

最先端技術を有する海外半導体メーカーと代理店契約を締結し、その技術と商品を日本の顧客に提供。情報・通信機器や民生機器、また産業用機器までの市場を支えているマクニカ クラビス カンパニー。
目まぐるしく展開するエレクトロニクス市場において、これまでに積み重ねた顧客サポートの経験を活かし、設計支援をはじめ、品質、環境対策、ロジスティック管理など、顧客の市場戦略で必須となる一連のソリューションを整備。特徴ある高機能プロセッサやカスタム製品などのキーデバイスをはじめ、電源・周辺回路までを一貫したサービスをベースに提供している。

半導体デバイスから得られるデータを収集・分析するクラウドIoTプラットフォームの構築

今回構築したクラウドIoTプラットフォームについて教えてください。

株式会社マクニカ クラビス カンパニー バイスプレジデント 高原 浩二氏

株式会社マクニカ クラビス カンパニー
バイスプレジデント 高原 浩二氏

当社が提供するセンサーやマイコンといった半導体デバイスから得られるデータを、セキュアにクラウド上に取り込み、デバイスごとに設定したアルゴリズムで処理するためのプラットフォームで、言わばデバイスとサービスの橋渡し役となるものです。

処理されたデータには、APIを通じてリアルタイムにアクセスできる環境を提供することで、お客様が利用するさまざまなシステムやサービスをスムーズに連携する環境を実現します。

クラウドIoTプラットフォームのイメージ

クラウドIoTプラットフォームのイメージ

データを収集・処理するためのクラウドは、AWSの各種サービスを利用しており、データを処理するコンピューティングインフラストラクチャはAWS Lambdaを、収集したデータを格納するデータウェアハウスにはAmazon Redshiftを、クラウドストレージにはAmazon S3を利用しています。

クラウドIoTプラットフォームで利用されているAWSの構成イメージ

クラウドIoTプラットフォームで利用されているAWSの構成イメージ

データ収集や処理アルゴリズムを制御する環境を提供

クラウドIoTプラットフォームは、具体的にはどのように利用されるのでしょうか。

株式会社マクニカ クラビス カンパニー 技術統括部 統括部長 井本 真義氏

株式会社マクニカ クラビス カンパニー
技術統括部 統括部長 井本 真義氏

お客様がIoTサービスを構築しようとしたとき、デバイスからデータを収集し、前処理をする仕組みを都度、構築するとなると、サービスインまでに多くの工数と時間がかかってしまいます。しかも、クラウドで、コスト、規模、パフォーマンス、拡張性、可用性、セキュリティーといった面での最適化を図るのは容易ではありません。

そのような状況では、短期間に競争力を備えたサービスを展開することはできません。クラウドIoTプラットフォームは、デバイスからのデータを最適な形で利用できるよう、データ同期のタイミングやデータ処理アルゴリズムを制御する環境を実現することで、お客様がサービスの提供・データ分析からの企画推進に注力できる環境を提供します。

たとえば、車椅子に設置した加速度センサーから利用者の利用状況を検知するIoTシステムを構築する場合、車椅子が動けば加速度センサーからさまざまな情報が収集されます。そのデータをそのまま見ても、利用者の意図に沿って動いているのか、逆走しているのか、トラブルがあって横転したのかはわかりません。

そのような状況を把握するためには、移動している方向や速度をリアルタイムで分析する仕組みが必要になるわけですが、サービス側でゼロからデータを処理・分析する仕組みを構築するとなると、膨大な処理パワーが必要で、システムも肥大化してしまいます。データの収集や必要な前処理を行う汎用的なプラットフォームがクラウド上にあれば、データ収集・処理インフラを一から構築することなく、必要なアルゴリズムを搭載するだけで最適なデータを利用できるようになります。

半導体技術商社のその先を目指すための技術ブランド「Mpression」

なぜ、クラウドIoTプラットフォームを構築したのでしょうか。

株式会社マクニカ クラビス カンパニー 技術統括部 主席技師 楠 貴弘氏

株式会社マクニカ クラビス カンパニー
技術統括部 主席技師 楠 貴弘氏

近年、IoTへの注目が高まり、お客様からIoTサービスを展開する上で、大量のデバイスから得られるデータへシンプルにアクセス・処理したい、安全にクラウド上に展開したいといった要望を受けていました。

当社では、単に半導体デバイスを提供するのではなく、半導体技術商社のその先を目指す取り組みの中で、マクニカグループとして「Mpression(エムプレッション)」というオリジナル技術ブランドを展開しています。Mpressionは、お客様のイノベーションと課題解決を加速させる開発・運用支援製品群とサービスから成り立っており、さまざまな半導体ソリューションをはじめ、スタートアップやMAKERSマーケットなど新たなものづくりに対する支援、社会課題や技術トレンドなどに対する革新的な調査、取り組みなどを展開しており、 IoT PoC(Proof of Concept)/ソリューションなども提供しています。

クラウドIoTプラットフォームへの取り組みもその一環であり、サービスインのためのコンセプトの概念を検証するだけでなく、その前段階でそのサービスの価値、利益モデルを検証するPoV(Proof of Value)、つまり半導体ビジネスの付加価値を高めるプロセスも提供します。

AWSは実績や情報が豊富で、プラットフォームとしての信頼度が高い

IoTプラットフォームとしてクラウドが優れている点は、どのようなところですか。

株式会社マクニカ クラビス カンパニー 技術統括部アプリケーション開発室 八木澤 衛氏

株式会社マクニカ クラビス カンパニー
技術統括部アプリケーション開発室
八木澤 衛氏

IoTの場合、デバイスからは大量の情報が発信され、リアルタイムでの処理が求められます。ピーク時に合わせたオンプレミス環境での処理環境の構築は、サイジングや設計が難しく、初期コストも膨れ上がってしまいます。

クラウドであれば、処理量や処理時間による課金となり、ピーク時に合わせた余分な投資をする必要もなく、自動でスケールアウトできる環境も構築できることから、IoTとの相性はとても良く、PoCやPoVの段階から本番の縮小版のような同等の環境でシステム環境を構築できること、PoCやPoVを経てサービス化が難しいという判断ができた場合にはすぐに撤退できるというのも大きなメリットです。

クラウドとして、AWSを採用した理由を教えてください。

AWSはサービスや機能も充実しており、それが信じられないような速度で進化しています。公式・非公式ともに技術情報が豊富に提供されており、サーバーワークスのようなパートナーも充実していることからプラットフォームとしての信頼度は非常に高いと考えています。

また、コストメリットも高く、世界中の公的な機関や大手企業でも採用されていることから、自社で利用するプラットフォームとしてだけでなく、お客様に提供するサービスとしても自信を持って提案できます。

サーバーワークスなら安心して持って顧客へ紹介できる

サーバーワークスにどのようなことを期待したのでしょうか。

株式会社マクニカ クラビス カンパニー 技術統括部アプリケーション開発室 遠藤 雅奈氏

株式会社マクニカ クラビス カンパニー
技術統括部アプリケーション開発室
遠藤 雅奈氏

サーバーワークスに依頼する前のプロトタイプの段階では、社内のエンジニアだけでAWSの設計や設定を行っていました。仮にサーバーワークスなどのクラウドベンダーにサポートを依頼しなくても、プラットフォームの構築は可能だったかもしれません。

しかし、サービスとして提供するとなると、信頼性や可用性を損なうことなく、コストやパフォーマンスなどを最適化しなければなりません。クラウドの場合は従量制なので、むやみにスケールや処理工数を増やすと、その分コストが膨れ上がってしまいます。得意分野にリソースを集中させながら、常に最適化を図りながらプラットフォームを設計・運用するため、アドバイスや情報提供を受けたり、相談したりできる専門家の存在が不可欠でした。

クラウドベンダーとして、サーバーワークスを選んだ理由を教えてください。

サーバーワークスはブログなどでもIoT関連の記事や実証実験例などを紹介していたので、クラウドIoTプラットフォームの構築に関して相談をしたところ、私たちの疑問や悩みに対して明確な答えを示してくれました。社風も弊社と似ており、常に顧客視点でありながら技術力が高く、経験やノウハウも豊富で、安心してサポートを任せられると判断しました。

また、今後、お客様がクラウドIoTプラットフォームを活用する際、AWSに関するサポートを求められたとき、サーバーワークスであれば自信を持って紹介でき、お客様の不安を解消できるとも考えました。

サーバーワークスへの評価

サーバーワークスへの評価をお聞かせください。

現段階ではサーバーワークスにとっては大きなビジネスではないかと思いますが、積極的な対応で提案やサポートをしてくれました。困ったときでも、頼りになる専門家が側にいるという安心感があり、迷ったときでも複数のソリューションと判断材料を明確に示してくれたので的確な判断ができました。

また、機能やサイジング、構成なども、サーバーワークスと相談したり、アドバイスをもらったりしながら設計・構築・検証・実装を進め、改善を繰り返すことで、コストやパフォーマンスの最適化を図ることができました。

ビジネスパートナーとしてのパートナーシップにも期待

サーバーワークスへの要望や期待があればお聞かせください。

当社の場合、組み込みソフトウェアに強いエンジニアは多いのですが、アプリケーションやクラウドに慣れているエンジニアは少なく、しかも、 AWSの場合は進化が速いので、すべての情報を社内のリソースだけでキャッチアップするのは現実的な選択肢ではありません。

そのため、クラウドベンダーであるサーバーワークスに期待するところは多く、現クラウドIoTプラットフォームに関するサポートやアドバイスだけでなく、最新情報やクラウドIoTプラットフォームを進化させるアドバイスや情報に大いに期待しています。

また、当社がIoTビジネスを推進する上で、ビジネスパートナーとして、互いの強みを活かしながら、Win-Winの関係を築いていきたいと考えています。今後ともよろしくお願いいたします。

右はサーバーワークスのプロジェクトメンバー 右から千葉 哲也、矢嶋 裕介、中村 悟大

右はサーバーワークスのプロジェクトメンバー
右から千葉 哲也、矢嶋 裕介、中村 悟大

※ この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数、およその数で記述しています。

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