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AWS Organizationsを活用して商用サービス用のAWSアカウントを一元化、運用ポリシーやセキュリティ設定を統合し、運用コストも削減

導入事例(ディップ株式会社様)

ディップ株式会社様

“私たちdipは夢(dream)とアイデア(idea)と情熱(passion)で社会を改善する存在となる” を企業理念に掲げ、日本最大級のアルバイト・パート求人情報サイト「バイトル」や総合求人情報サイト「はたらこねっと」、人手不足や業務効率に課題を抱える業界・業種の定型業務を自動化するSaaS型サービス「コボット」シリーズなどを展開している。

お話を伺った方

藤原朋広氏
商品開発本部 システム統括部 インフラソリューション部 部長
町永俊介氏
商品開発本部 システム統括部 インフラソリューション部 システム基盤課 課長
黒岩利幸氏
商品開発本部 システム統括部 インフラソリューション部 システム基盤課 マネージャー
ジョン・フンモ氏
商品開発本部 システム統括部 インフラソリューション部 システム基盤課
佐藤克洋氏
DX事業本部 商品企画・開発統括部 DXプロダクト開発部 テクニカルソリューション課 課長
藤井貴昭氏
DX事業本部 商品企画・開発統括部 DXプロダクト開発部 テクニカルソリューション課 テックリード

事例のポイント

Before

お客様の課題

  • 全社ガバナンスとセキュリティの強化、コスト削減の観点から、別々だったAWS環境の一元管理を実現したかった
  • 受け身ではなく、ユーザー目線での提案力を持った信頼のおけるITパートナーを模索していた

After

課題解決の成果

  • AWS Organizationsを活用してAWS環境の一元管理化を図り、運用管理コストも最適化することができた
  • サーバーワークスの支援により、全社ガバナンスとセキュリティ強化を実現した全社最適なAWS環境を構築することができた

2つの組織の全AWSアカウントを一元的に運用管理するために、親身に相談できるITパートナーを探したい

ディップは、大きく分けて2つの事業を展開しています。1つめが、日本最大級のアルバイト・パート求人掲載サイト「バイトル」などを運営する人材サービス事業、もう1つが、人事関連の定型業務の自動化を支援するSaaS型サービス「コボット」シリーズを提供するDXサービス事業です。同社では、これら商用サービスのシステム基盤としてAWSを利用していますが、これまで各々のAWS環境は異なるAWSアカウントに紐付いたものでした。以前の状況について、人材サービスのIT環境を担当するシステム統括部 インフラソリューション部 部長の藤原朋広氏は、次のように説明します。

藤原氏「社内には商用サービスのシステム周りを受け持つ組織として、私たちシステム統括部
ともう1つ、DXサービスを担当するDX事業本部があります。ただ組織が縦割りで分かれているため、月に1回、情報交換などを行う定例会は実施していたものの、基本的に各部署の課題は各々で解決するというスタンスで、利用していたAWSアカウントもそれぞれ異なったITベンダーを介してのものでした。全社レベルで考えた時、これでは余分な管理コストが発生することになりますし、統一したガバナンスもセキュリティ対策も施されていない状況です。2つのAWS環境を一元的に運用管理できないかと考えていました」

またシステム統括部では、AWSへの請求代行を委託するITベンダーのAWSアカウントでAWS環境を管理・運用していましたが、これまでこの会社の姿勢や対応にやや不満があったと言います。

藤原氏「基本的には受け身の姿勢で、何かAWSについて問い合わせた時にも、契約の範囲外と言われてしまうことが多々ありました。ただ私たちも困って相談しているので、一応対応してもらった場合の見積もりを依頼すると、想定よりも高額な料金を提示されるということがありました。契約上、仕方ないこととはいえ、もう少しユーザー企業の目線に立って親身に相談に乗ってくれるITパートナーが他にいないだろうか、と考えていました」

その際にDX事業本部から紹介を受けたのが、サーバーワークスでした。

社内での実績やコスト削減効果を評価し、サーバーワークスを選択してAWS運用最適化サービスを導入

DX事業本部では2021年、サーバーワークスが独自開発したクラウド運用自動化サービス「Cloud Automator」をAWS環境に適用することで、30%ものAWSコスト削減に成功していました。この時に同事業部は、AWSアカウントを一元的に管理するためのソリューションであるAWS Organizationsも導入しています。当時のサーバーワークスに対する評価について、DX事業本部 商品企画・開発統括部 DXプロダクト開発部 テクニカルソリューション課 課長の佐藤克洋氏は、次のように説明します。

佐藤氏「我々にはAWSに関するナレッジが無かったので、例えばセキュリティについては“一番高いレベル、外に出しても恥ずかしくないレベルを担保したい”というお願いの仕方をしました。その際にサーバーワークスは、基本スタンスとしてAWS Organizationsを使って管理対象をいくつかの階層に分け、各々にSCP(サービスコントロールポリシー)を適用していくという方法を提案してくれました。また社内には人的リソースが無かったので、実際に手を動かす部分もお手伝いいただきました。サーバーワークスはAWSに対する豊富な知見に加えて、実作業ベースの対応力も十分に持っているITパートナーだと感じました」

佐藤氏からサーバーワークスの紹介を受けた藤原氏は、自身でも2社のITベンダーをピックアップし、各々に話を聞いてみましたが、最終的に選択したのが、サーバーワークスでした。

藤原氏「我々はAWSのソリューションアーキテクトと直接連絡が取れる関係にあるので、当初はAWSと直取引をすることも考えていました。しかしそうすると実作業の部分は自分たちで何とかする必要がありますし、AWSの運用管理方法もまたDX事業部と違ってしまうことになります。話を聞いた2社も、回答のスピードやコスト面での優位性を感じられませんでした。そこでやはりDX事業本部での実績があり、AWSアカウントの一元管理化によりコスト削減効果が期待できるサーバーワークスのAWS運用最適化サービスを導入することに決めました」

AWS Organizationsを活用して全AWSアカウントを一元管理化、全社最適なAWS環境を構築し、運用管理コストの最適化も実現

システム統括部とDX事業本部のAWSアカウントを一元化するプロジェクトは、2022年7月、まずシステム統括部のAWS環境をアセスメントするところから始まりました。そして同年12月に両事業部の環境を併せての要件定義を実施、2023年1月から統合作業が始まっています。

構成図

現在構築を進めているAWS環境のシステム構成について、DX事業本部 商品企画・開発統括部 DXプロダクト開発部 テクニカルソリューション課 テックリードの藤井貴昭氏は、次のように説明します。

藤井氏「システム的にはAWS Organizationsを活用して、これまでDX事業部がサーバーワークスを窓口として利用してきたAWSアカウントの配下に、従来のDX事業部のAWS環境に加え、システム統括部のAWS環境を新たに配置する、という形です。基本的にはDX事業部の運用ポリシーやセキュリティ設定を踏襲する形ですね。これによって2つの全AWSアカウントを一元管理することが可能になります」

また実際のプロジェクトを通して実感したサーバーワークスの対応力や得られた効果について、商品開発本部 システム統括部 インフラソリューション部 システム基盤課 マネージャーの黒岩利幸氏、同課 ジョン・フンモ氏は、次のように話します。


黒岩氏「私はシングルサインオンの仕組みを担当しており、ユーザー管理にはActive Directoryを利用しているのですが、今回AWSアカウントが変わることで、その管理方法まで変わってしまうことは避けたいと考えていました。そこでサーバーワークスに“Active Directoryによる管理はそのまま踏襲したい”という要望を伝えたところ、その意向を酌んでくれました。この対応によって、我々の新たな環境への移行作業もスムーズに進めることができたと思います」


ジョン氏「私は新たな環境に移行することによるコスト削減効果を見てきましたが、サーバーワークスの知見を反映したAWS環境を構築することで、今まで無駄だった設定を排除することができました。例えばシステム統括部は、AWSの東京リージョンしか利用していないのですが、以前のITベンダーに任せていた設定では全リージョンが有効化されていました。こうした部分を潰していくことで、全社最適な環境を完成させることができます。運用管理コストの最適化を図ることも実現可能だと思います」


マルチクラウド環境の可視化も検討中、引き続きサーバーワークスの心強い支援を期待したい

AWSアカウントの統合作業は現在も継続中ですが、今回のプロジェクトによって、システム統括部とDX事業部との間には、新たな動きが出てきていると言います。この点について、商品開発本部 システム統括部 インフラソリューション部 システム基盤課 課長の町永俊介氏は、次のように説明します。

町永氏「2023年8月、両部署から各々複数のメンバーが集まり、サーバーワークスも交えて、AWS Organizationsのさらなる活用やAWS環境の整備、セキュリティ強化などを検討するミーティングを月例化しました。これは単なる情報交換の場ではなく、お互いに困っていることを持ち寄り、顔を合わせて一緒に課題解決に当たろうというもので、既に変えていかなければならない課題も出てきました。全社最適の視点からごく自然に生まれた取り組みだと考えています」

こうした両部門の自発的な活動について、サーバーワークスで営業を担当し、商談を進めたアプリケーションサービス部 営業課の中嶋麻衣子は、次のように語ります。
中嶋「冒頭で藤原様から組織が縦割りだったというお話がありましたが、今回システム統括部様、DX事業本部様共にそうした形には拘らず、全社最適の視点で一緒にAWSアカウントの一元化に臨まれました。そのような皆様の姿勢が、アセスメントから要件定義、実際の統合作業までスムーズに進めることができた最大の要因だと思います」

また現在同社の営業担当を務めるエンタープライズクラウド部 営業課の鬼山健一は、引き続き信頼していただけるITパートナーとしての活動に注力していきたいと強調します。

鬼山「システム統括部、DX事業本部の皆様は、自社のIT環境をより良いものに改善していきたいという強い思いを持たれています。我々はそうした皆様の思いに寄り添えるITパートナーになれるよう、しっかりと課題をお伺いし、解決策をご提案できる関係性をより強固なものにしていきたいと考えています」

最後に藤原氏は今後の課題として、AWS以外のクラウドサービスを含むマルチクラウド環境の稼働状況を可視化することも検討したいと話します。

藤原氏「色んなクラウドサービスから様々なアラートが上がってきますが、それらを毎回別々のモニターでチェックするのは大変な作業です。一元的に可視化できればと考えていますが、具体的なロードマップはまだ見えていません。ツールの選定以前にまずはアラートの分析と対処するための体制作りからですが、サーバーワークスには今後も引き続き、心強い支援を期待しています」

※ この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数、およその数で記述しています。

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