AWSのCTI Adapterを利用してSalesforceとAmazon Connectの連携を低コストで実現、インサイドセールスチームの業務効率を大幅に向上

AWSの提供するAmazon Connect CTI Adapterを利用して、クラウド型営業支援ツール「Salesforce」とクラウド型コンタクトセンターサービス「Amazon Connect」の連携を低コストで実現。インサイドセールスチームの架電時や履歴入力における業務効率が大幅に向上しました。

2024.06.28 掲載

2021年7月に設立されたGoogle CloudインテグレーターのG-gen(ジージェン)は、営業支援ツールとしてSalesforceを、受電用のコンタクトセンターサービスとしてAmazon Connectを利用しています。しかしこれまで両者の運用は別々で、スムーズな情報連携を取ることができていませんでした。そこでサーバーワークスの提供する「クラウドコンタクトセンターパッケージ」を導入し、両者のシームレスな連携を実現することでインサイドセールスチームの業務効率を大幅に向上させることに成功しました。当時の課題とサービス導入の効果、サーバーワークスに対する評価について、ビジネス推進部 総務担当の一瀬絵梨奈氏とビジネス推進部 マーケティング課 インサイドセールス担当の國吉眞太郎氏にお話を伺いました。

事例のポイント

お客様の課題
  • インサイドセールスで見込み客に架電する際、手作業で電話番号を入力していたため、確認プロセスはあったものの、常に間違い電話の不安を抱えていた
  • 通話後に履歴をSalesforceに入力する際、一旦表計算ソフトに入力してから転記するという手間が発生していた
課題解決の成果
  • 画面に表示させたSalesforce内の電話番号をマウスでクリックするだけで架電できるようになり、間違い電話の可能性や不安が一切無くなった
  • 通話後には直接Salesforceに履歴を入力できるようになり、作業効率が大幅に向上した
AWSのCTI Adapterを利用してSalesforceとAmazon Connectの連携を低コストで実現、インサイドセールスチームの業務効率を大幅に向上

株式会社G-gen(ジージェン)様

AWS専業インテグレーターであるサーバーワークスとマルチクラウドインテグレーションを提供するBespin Globalのジョイントベンチャーとして2021年7月に設立されたGoogle Cloudインテグレーター。Google CloudやGoogle Workspaceの活用を支援し、請求代行からシステム構築・運用に至るまで、顧客企業のニーズに合わせた最適なサービスを提供している。

お話を伺った方:
ビジネス推進部 総務担当
一瀬絵梨奈氏

ビジネス推進部 マーケティング課 インサイドセールス担当
國吉眞太郎氏

  • この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数、およその数で記述しています。

目次

インサイドセールス活動における架電時のストレス解消や、履歴入力の効率化を図りたい

サーバーワークスとBespin Globalのジョイントベンチャーとして2021年7月に設立されたG-gen(ジージェン)は、2023年1月にインサイドセールス(以下、IS)のチームを正式に立ち上げました。ISは、電話やメール、ビデオ会議などを利用して非対面で見込み客とコミュニケーションを図りながら営業活動を行う営業形態で、内勤営業とも呼ばれるものです。

特に電話が主なコミュニケーション手段となるISの担当者は、これまで架電の際には、営業支援ツールとして会社設立時から利用しているSalesforceを立ち上げ、対象見込み客の情報を呼び出し、画面に表示された電話番号を手で入力するという作業を行っていました。ただこの一連のプロセスには大きな課題がありました。当時の状況について、ビジネス推進部 マーケティング課 インサイドセールス担当の國吉眞太郎氏は、次のように説明します。

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國吉氏「架電の際には、個人のスマートフォンにダウンロードした通話アプリを介して、お客様に電話をかけるという方法を採っていました。この時に間違い電話だけは避けなければなりません。そこでスマートフォンに電話番号を入力した後、自分で声に出して番号を復唱し、改めてSalesforce上の情報を目で確認する、ということを行っていました。二重、三重にチェックするとはいえ、人間が行うことなので絶対はありません。架電業務はストレスを伴うものでした」

さらに見込み客との通話後に、やり取りした履歴をSalesforce上に記録する作業も負荷のかかるものでした。

國吉氏「当時はお客様に対応した内容を、一旦表計算ソフトに記入し、それをコピー&ペーストでSalesforceに入力するという作業を行っていました。利用するアプリケーションが2つなので、どうしても情報の転記が必要になりますが、これも大きな手間でしたね」

一方、G-genでは受電にクラウドベースのコンタクトセンターサービスであるAmazon Connectを利用していましたが、顧客や見込み客から電話を受けた際には、PCでSalesforceを立ち上げて当該顧客の情報を検索し、画面に表示させるというプロセスが必要でした。受電後、スピーディーに対応することが難しかったのです。

こうした状況が続いていた時にサーバーワークスから紹介を受けたのが、SalesforceとAmazon Connectのシームレスな連携を実現する「クラウドコンタクトセンターパッケージ」でした。

AWSのCTI Adapterを利用して、SalesforceとAmazon Connectの連携を実現

サーバーワークスが提供するクラウドコンタクトセンターパッケージは、SalesforceとAmazon Connectの新規導入および両サービスの連携を支援するソリューションです。Salesforceの導入はSalesforceコンサルティングパートナー企業が、Amazon Connectの導入は、AWSパートナーネットワーク最上位のAWSプレミアティアサービスパートナーであるサーバーワークスが担当し、SalesforceとAmazon Connectの連携部分は、サーバーワークスが担います。

またサーバーワークスでは、SalesforceとAmazon Connectを連携する方法を2つ、ご用意しています。1つが、AWSのCTI AdapterであるAmazon Connect CTI Adapter for Salesforceを利用する方法、もう1つが、SalesforceのコンタクトセンターソリューションであるService Cloud Voiceを利用する方法です。

クラウドコンタクトセンターパッケージがリリースされた2023年夏頃にサーバーワークスから紹介を受けたビジネス推進部 総務担当の一瀬絵梨奈氏は、当時の状況を次のように振り返ります。

一瀬氏「G-genでは既にSalesforceもAmazon Connectも利用していたので、新規導入の必要はありませんでした。しかし各々を単体で使っている中で、SalesforceとAmazon Connectを連携するCTIソリューションの導入については、以前から頭の中にありました。そんな時に紹介を受けたのがクラウドコンタクトセンターパッケージでした」

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設立2年目を迎えたばかりのスタートアップ企業である同社にとって、スモールスタートで、かつコストも極力抑えた形で両者の連携を実現できるクラウドコンタクトセンターパッケージは、非常に魅力的なソリューションでした。

一瀬氏「SalesforceとAmazon Connectを連携させる手段は2つありましたが、当社が選択したのは、より低コストで連携を実現することができるAmazon Connect CTI Adapter for Salesforceを利用する方法でした。社内に人的リソースが少ない中、スモールスタートで、まずは一回試してみることができるという観点からも、私たちのニーズに合致するものだったと言えます」

マウスのワンクリックでの架電が実現、履歴入力もSalesforceへの直接登録が可能に

SalesforceとAmazon Connectとの連携プロジェクトは2023年夏にスタートし、約2週間で完了しました。さらに今回G-genはサーバーワークスの支援を受けて、グループウェアとして利用するGoogle Workspaceから、SalesforceとAmazon Connectの両方にアクセスできるシングルサインオン(SSO)も実現しています。

一瀬氏「両サービスの新規導入からなら、もう少し時間がかかったと思いますが、私たちは既に2つとも利用していたので、トータル約2週間で連携を終えることができました。またGoogle Workspaceにログインするだけで、SalesforceもAmazon Connectも利用できるSSOは、利便性が向上したというだけでなく、セキュリティの強化という観点からも、非常に有効な仕組みだと考えています」

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またSalesforceとAmazon Connectの連携によるメリットについて、國吉氏は次のように強調します。

國吉氏「まず画面に表示させたSalesforce内の電話番号をマウスでクリックするだけで、架電できるようになりました。以前のように番号入力を間違ってはいけないというプレッシャーは全く無くなりましたね。またお客様とやり取りした履歴も、既に立ち上がっているSalesforceに、そのまま入力することができるので、一旦表計算ソフトに記入した後、Salesforceに転記するという煩わしさが解消されました。これも業務効率の大幅な向上に繋がっています」

一方、受電の際には、電話に出ると同時に、Salesforceから相手の情報が引き当てられ、PC画面上にポップアップで表示されるようになりました。これにより迅速に相手との商談履歴などを確認した上で、相対することが可能になりました。以前のように、電話応答した担当者がその場でSalesforce上の相手の情報を探しにいき、場合によっては相手を待たせてしまうという状況も一切無くなったとのことです。

さらにAmazon Connectのダッシュボード機能を利用することで、今どれだけのメンバーが受電できる状態になっているかを一目でモニタリングできるようにもなりました。

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國吉氏「IS担当として架電するのは私を含めて2名ですが、受電はフィールドセールスの担当者も含めて約20名でシフト対応しています。ただ当社は基本的にフルリモートなので、各々仕事をしている場所はバラバラです。そのため、これまでは誰が今スタンバイ状態なのかを知るためには、チャットツールで各メンバーのステイタスを確認する必要がありました。それで自分は席を外しても大丈夫そうだという判断をしていたのです。それが今では、Amazon Connectのダッシュボード画面で各メンバーの待機時間なども一目で把握できるようになりました。これはAmazon Connectの機能ですが、Salesforceと連携したことで、同じ画面上で各メンバーのステイタスまで把握できるようになりました」

今後Amazon Connectの利用においては、AIを活用した音声案内や履歴の自動入力を実現したい

今回、SalesforceとAmazon Connectの連携をご提案したアプリケーションサービス部 営業課の中嶋麻衣子は、クラウドコンタクトセンターパッケージの特徴について、次のように説明します。

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中嶋「私たちが一番お伝えしたいメリットは、やはりパッケージでご用意させていただいているので、連携に当たって留意しなければならないポイントなども全て網羅した手順書をご提供できることです。これによって連携までの時間を大幅に短縮することができます。ただ手順書を読んでみて分かりにくい部分が出てきた時には、オンラインやオフラインで画面を見ながら一緒に作業を進めましょうというご案内もさせていただいています。」

最後に今後の取り組みについて、國吉氏と一瀬氏は、AIを活用した音声案内や履歴の自動入力などに期待を寄せています。

國吉氏「個人的に興味があるのは、社外からの電話を一旦AIで応答して内容を分析した上で、お客様からのお電話であれば適切な担当者にお繋ぎするという機能です。受電はお客様からのものだけではないので、こうした機能があれば、業務の負荷をさらに減らすことができると考えています」

一瀬氏「実は予算の関係で今回は導入できなかったのですが、Amazon Connectでは、録音した通話記録をテキスト化し、Salesforce上の関連する商談に紐付けて入力するという機能が提供されていると伺いました。将来的にこうした機能があれば、ISの担当者は通話に集中することができますし、情報の拾い漏れも無くなります。通話後に履歴を入力する作業も必要ありません。今後予算を組めれば、改めてサーバーワークスに相談して、導入を検討したいと思います」

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