AWS移行の事例
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公益財団法人ジャパン・スタッドブック・インターナショナル(以下、JAIRS)様は、軽種馬の改良増殖や競馬に対する信頼の確保等の為、各馬の血統調査、個体識別、親子判定を実施し登録を行っている。 これらのデータ管理・運用を東京・北海道の2拠点にあるオフコンで行っていた。しかし、5年毎の更新で発生するコストおよび運用管理の負担を削減する為、この度、AWSの活用という選択を図った。 AWSの活用によりどのようなメリットがもたらされたのか、そして今後の展開について、導入にかかわった情報システム部、主査の羽部勉様にお話を伺う。
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リプレイスにより、5年毎に発生する更新費用を低減
AWS活用前のシステムの状況について教えてください。
羽部様:軽種馬の登録システムをオフコンで構築・運用していました。東京と北海道の2拠点にそれぞれ1台のオフコンを導入し、北海道拠点にあるサーバーはバックアップ用として運用していました。北海道の拠点には情報システム部のメンバーがいませんでしたから、運用には少し手間がかかっていましたね。
オフコンは5年毎のリース契約で、費用やメンテナンス、運用の柔軟性に欠けるなどの問題からリース切れのタイミングである、2010年にリプレイスを検討開始しました。
リプレイスの検討には様々な選択肢があったと思うのですが。
羽部様:はい。はじめにイチからオープン系のシステムを構築する事を検討しました。しかし、費用が膨大になることがわかり断念しました。
実は、予め割ける予算が決まっていまして、その予算というのが、バックアップとして運用している北海道の拠点のオフコン1台をリプレイスする為のハード、作業費にかかる費用でした。
次に、外部のデータセンターを間借りすることも検討しましたがこれも費用が高額になりますし、セキュリティ等々にも不安がありました。
災害対策、セキュリティ、管理面でもAWSなら安心
最終的にAWSを選択されたのですが、その決め手となったのは?
羽部様:我々情報システム部門は2名で担当しています。
オンプレミスを選択した場合の物理的なハードの設置場所に関する問題もありましたし、管理の負担、災害対策を検討したところクラウド、それもAWSが良いのではという結論になりました。
AWSの将来性にも魅力を感じていたんです。
AWSに全く不安はなかったのですか?
羽部様:正直なところ、AWSというクラウド、言ってみれば、外部のサービスを使用するという事で財団内での理解を得るのが初めは難しかったというのがありました。「データを外に出して安全なのか」という声もありました。セキュリティ、不正アクセスの問題があるのではないかと。
しかし、AWSは逆にそこが堅牢であるという事をサーバーワークスの営業の方が根拠を示し説得してくれました。
現在は、当初の目的であった北海道拠点のオフコンのバックアップとしての機能に加え、FTPサーバーやイントラサーバー等もAWSに移行して問題なく稼働しています。
今回の移行でなぜサーバーワークスを選ばれたのでしょうか。そして、サーバーワークスに任せて良かったという点をお聞かせください。
羽部様:AWS専業のインテグレーターという事で、すでに150社以上への導入実績もあり、AWSを熟知しているという安心感があります。2005年に別のシステム導入でお世話になり、こちらの要望を的確に実現してくれたという経験から、サーバーワークスに是非お願いしたいと思いました。
リモートから効率良く作業していただき、オンプレミスでの移行では当たり前の「現地に直接来てシステムの移行作業をする」という事もないので、一日立ち会わなければならない負担が無いのも良いですね。夜遅くまで作業が終わるのを待つこともないですし。
「AWSならサーバーワークスに任せるのが確実」だと思っています。
AWS導入の効果について教えてください。
羽部様:北海道拠点のオフコンが1台なくなり、運用がとても楽になりました。先ほども申し上げましたが、北海道にはシステム担当者がおらず、今までは停電があったりすると、現地スタッフとのやり取りにも手間がかかったり、停電後、東京・北海道のデータの整合性をとるために手作業で復旧を行っていました。
AWSに移行してからは停電の心配もなく、バックアップも自動なのでかなり運用は楽になっています。部門の負担が軽減され、さらに5年毎に発生する更新費用のうちオフコン1台分をゼロにする事が出来ました。これは、長期的スパンで見るとかなりのコスト削減ですね。
ハードに投資する分を新たに生産的な開発に当てる事ができるので助かっています。
運用・保守から解放され、情報システム部門は生産的な業務へ
「新たな開発」とおっしゃいますと具体的に進んでいるものはありますか?
羽部様:現状、年間7000頭弱生まれる馬を現地に出向き、紙をベースに馬の登録審査を行っているのですが、これを電子データ化して管理していきたいと思っています。
馬の画像もデータ化し効率化できると期待しています。画像はオフコンで管理できなかったので、AWSにシステムを移行したことにより出来る事、やりたい事の可能性が広がっていると感じていますね。2014年はこれらの新しい試みを構築し、テストしていく方向で既に動き始めています。
そういった本来の生産的な情報システム業務に時間をさけるのも、AWSで運用管理負担が軽減されたからだと思っています。
なるほど、今後の展開も楽しみですね。ありがとうございます。
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構成図
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構成図(AWS Simple Iconsバージョン)
まとめ
JAIRS様は、東京・北海道の2拠点にあるオフコンで、軽種馬に関するデータの管理・運用を行っていらっしゃいましたが、コスト削減および管理負担の削減の為にAWSへの移行を図られました。そして、定期的に発生する更新費用を低減することに、さらに、セキュアなシステム環境と共に運用管理の負担も劇的に削減することに成功されました。今後AWS上での新たな展開も進めていらっしゃいます。
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公益財団法人ジャパン・スタッドブック・インターナショナル様
〒105-0004 東京都港区新橋4-5-4 日本中央競馬会新橋分館
農林水産大臣の認可を受け、2010年12月1日に財団法人競馬国際交流協会と財団法人日本軽種馬登録協会が合併。内閣総理大臣の移行認定を受け、2012年年1月4日付けをもって新たに発足。 競馬に係わる国内外の情報の提供及び技術交流、軽種馬の登録並びに競走を引退した馬への助成を行うことにより、国際相互理解の促進並びに国内外の軽種馬の改良増殖、公正な流通の促進、競馬に対する信頼の確保及び馬の福祉に寄与している。
※ この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数、およその数で記述しています。
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