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Amazon Connect PoCの事例

導入事例(株式会社みずほ銀行様)

株式会社みずほ銀行様

みずほ銀行は、国内最大級の顧客基盤や国内外の拠点ネットワークを有するリーディングバンクとして、グループ内の信託銀行・証券会社、資産運用会社、シンクタンク等とも連携し、<みずほ>の総力を結集したコンサルティング機能を発揮することで、幅広いお客さまに最適な金融ソリューションを迅速に提供してまいります。

検証の概要

みずほ銀行では、コンタクトセンターの効率化を目指し、セルフサービス型コンタクトセンターサービスのAmazon Connectの実証実験を実施しました。2ヶ月間の検証で、コンタクトセンターインフラとしての性能、品質には問題がないことを確認。さらに、Amazon Connectでは従来よりも極めて高い俊敏性と柔軟性が得られることが分かり、Amazon Connectが今後の選択肢の第一候補となったのです。

検討のきっかけ

株式会社みずほ銀行
個人マーケティング推進部
コンタクトセンター業務チーム 調査役
坂本成顕氏

銀行業界では、主流だった預金を資金にして融資を行うビジネスは先細ると予測されています。そのため次なる取り組みを模索し、FinTechの活用など新たなチャレンジを開始しています。今後の取り組みでは、顧客との密な関係性の構築が鍵となります。そのため顧客視点での対応を、より良いものにすることが求められます。その方法の1つとして、コンタクトセンターが改めて見直されています。コミュニケーションの質を上げつつ、安全性を重視するためにコスト高になりがちなコンタクトセンターの仕組みを効率化したい。そのような要望の中、みずほ銀行ではクラウドで効率化できるのではと考えていました。

またみずほフィナンシャルグループ全体を横断する形でパブリッククラウドを積極的に利活用し、ビジネスの俊敏性を高めていこうという動きもありました。そのためにCCoE(Cloud Center of Excellence)というバーチャル組織が2018年4月に立ち上がり、1年ほどの間に多数のシステム案件のクラウド化に取り組んできました。この延長線上に、コンタクトセンター業務のクラウド化もあったのです。

コンタクトセンターを効率化するために、規模を変更したり場所や運営方法を変えたりと工夫をしてきました。これまで拠点統合などで業務の効率化を図ってきましたが、その際のインフラ再構築には実は手間とコストが大きくかかる問題もありました。

またみずほ銀行ではCTI(Computer Telephony Integration)システムの更改タイミングを迎え、2年ほどの時間をかけインフラの再構築を行いました。当初は規模拡大で回線数を増やす要件がありましたが、2年のうちに最適化へと方向性が変わりました。2年前の要件に基づき導入されたコンタクトセンターのインフラは、現在の需要に対し1.5倍ほども余裕があるものとなっています。

このような課題に直面していた際に、クラウド型コンタクトセンターのAmazon Connectが発表されました。これを使えばコンタクトセンターを作る作業が2、3時間で終了するのは衝撃的でした。コンタクトセンターインフラをセルフサービスで構築でき、従量制で使った分だけのコストで済む。また得られるさまざまなデータを、AWSの仕組みを使い容易に他システムと連携できそうな点も魅力的だと感じたのです。実際にAmazon Connectのハンズオンに参加したとき、これなら従来の仕組みは要らなくなるなと感じました。

サーバーワークスに依頼したことと検証内容

株式会社みずほフィナンシャルグループ
リテール事業法人業務部
IT・システム企画部 参事役(CCoE)
黒須義一氏

みずほ銀行では2018年10月からAmazon Connectの検討を開始し、12月には東京リージョンで提供されると分かり、2019年2月から2ヶ月間にわたりAmazon Connectの実証実験(PoC)を実施することにしました。PoCの対象はアウトバンドコール業務全体とし、実施に当たりサーバーワークスには、インフラ構築と運用面でのサポートを依頼しました。

ハンズオンではシナリオが整っているため、簡単にAmazon Connectの環境が構築できましたが、PoCでは自分たち用の環境を一から設定する必要があり、最初は少し戸惑いました。それでも多少の試行錯誤の末、ほぼ自分たちだけで環境は構築できました。その後は順次オペレーターにAmazon Connectの環境を利用してもらい、受発信の使い勝手や通話音声品質、セキュリティ要件、発信電話の集計や検索、レポート機能などの検証を行いました。

検証の結果

実際に利用したオペレーターからは「今までと何ら変わらない」とのフィードバックがありました。使いにくいなどの声が出ると考えていたので、これは想定外でした。一方で管理者からは、これまでとは異なる「Amazon Connect特有の言い回しに慣れない」との指摘もありました。このあたりは、本番運用の中でギャップ調整が必要となるでしょう。

最終的なPoCの評価は満足いくレベルとなりました。カスタマイズした固定型CTIには使い勝手で及ばない点もありますが、確実にインフラコストは下がり、その上で得られる高い俊敏性と柔軟性から、Amazon ConnectがCTIインフラの第一候補となっています。さらにAmazon Connectでは、「1対多数」の通話も実現できます。これを使えばオペレーターに専門家を加えたコミュニケーションなど、新たな付加価値実現の可能性も考えられるのです。Amazon Connectの俊敏性と柔軟性があれば、CTIのインフラの構築がコミュニケーション戦略を実施する上での制約にならないでしょう。新たな企画を進める際に環境を柔軟に素早く構築できることは、コスト削減以上にメリットが大きいと考えています。

今後の展開について

本番環境を想定して、Amazon Connectから得られるデータをどのように利活用していくかの検討を実施しています。CRMとのシームレスな連携など、お客様に対しこれまで以上にきめ細かな対応も可能となるでしょう。そしてAmazon ConnectのPoCで良い結果が出たことを踏まえ、CCoEとしては他の業務でも、更にAWSの利活用を推進していきたいと考えています。みずほフィナンシャルグループ全体でも、クラウド利活用のマインドが浸透しつつあり、それをサポートする存在としてサーバーワークスには大きく期待しています。サーバーワークスのようなスピード感のある会社と一緒に仕事をすることで、クラウド利活用を更に加速させていきたいですね。

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写真左側はサーバーワークス社員

※ この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数、およその数で記述しています。

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