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AWSインフラ構築の事例

導入事例(株式会社リアライズ様)
導入事例(株式会社リアライズ様)

株式会社リアライズ様

NTTデータグループのデータマネジメント事業専門会社として1997年に事業を開始。以来、一貫してデータマネジメントを通じた企業・組織の情報活用力の強化を支援している。さまざまな業種・業態の顧客のデータをあるべき姿に近づけるためのデータアセスメント・コンサルティングから、データの統合・構築(再生化)、データの運用・管理(高品質なデータの継続的な維持・管理)という3本柱のサービスにより、データライフサイクル全体を通じて、企業がデータをビジネスに活かせるよう支援するサービスを展開している。データマネジメントを通じて日本企業の国際力強化に寄与する「一般社団法人 日本データマネジメント・コンソーシアム(JDMC)」の会員企業であり、代表の大西浩史氏は同社団法人の理事・事務局長も務めている。

AIとシソーラスナレッジを融合した顧客リストのマッチング&クリーニングサービス「Data-Master」

今回、サーバーワークスが技術支援した新規サービス「Data-Master(データマスター)」についてご紹介ください。

Data-Masterは部門ごとに分散している顧客データを、AI (人工知能)技術とシソーラスナレッジ(言葉や単語を同義語や意味上の類似関係、包含関係などによって分類したデータベース)を融合して、クリーニングとマッチング処理を自動的かつ高速に行うサービスです。

Data-Master

Web や名刺などから集めた顧客リストには入力ミスや入力漏れなども多く、顧客リストを一意に特定し結び付けるのが容易ではなかったり、マーケティング、営業、購買等の部門ごとに分散し、バラバラに管理されていたりすることが多くあります。

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このようなことから一般的に、新規に取得した顧客リストの4割以上は重複を排除するなどして、クリーンな状態にしなければ使えないと言われており、さまざまな顧客接点や手段を通じて入手した顧客リストを常に正しい状態に保つためには膨大な手間とコストがかかっていました。

Data-Masterは、このような顧客リスト管理における課題を解決するための従量課金型サービスとして、企業の保有する法人顧客リストをクラウドにお預かりして、入力ミスや部門ごとに管理することで、同じ顧客企業でありながら別のコードで登録されたことによる重複、正式名称と略称の表記揺れに起因する重複、本社や支社・部署等により別データとされた重複など、さまざまなデータの重複パターンを AI 技術とシソーラスを用いて、データを識別し、修正・統合キーを付与するなど、まるで人間が目で見て判断するような作業を自動的に処理します。

約20年間にわたってデータの意味を理解して編集処理等を行うことで蓄積してきた独自のシソーラスと、処理をすればするほど精度の高まるAI技術の融合。そして、これまでのインフラと比べて、柔軟かつ安価でシステムの構築・運用が可能なSalesforce Community CloudやAWS(Amazon Web Services)を活用することで、データの最適化サービスを低コストで提供できるようになりました。

現在、一般的なデジタルマーケティングの分野で、Webやメールを利用したマーケティング・オートメーション (MA) の利用やカスタマー・ジャーニーを適切に活用できる「正しい顧客リスト」を整えるために利用いただくサービスとして、「Data-Master 01(データマスター・ゼロワン)基本サービス」を提供しています。今後 MA、SFA(営業支援システム)、CRM(顧客管理システム)等のソリューションや EAI(Enterprise Application Integration)ツールとの API 連携など、システム間のデータ自動連携機能も追加していく予定です。

さらには、マーケターや営業企画のニーズに応えるために、「Data-Master 02:部門カテゴリー自動付与サービス」「Data-Master 03:業種カテゴリー自動付与サービス」などの新サービスを追加し、Data-Masterシリーズの付加価値をさらに向上させていく予定です。

構築のスピードや信頼性、拡張性を考慮してAWSを採用

さまざまなクラウド商用環境がある中で、インフラとしてAWSを選択した理由を教えてください。

現在、Data-Masterのシステム構成はユーザーインターフェース部分をSalesforce Community Cloud上に、マッチング処理やシステム管理部分をAWS上に実装しています。

さらに、処理エンジン部分に関しては小規模なサービス群で疎結合したマイクロサービス化しています。従量課金モデルのWebサービスを展開するにあたり、構築のスピードと信頼性、拡張性を考慮してこのような構成を取りました。

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Data-Master初期段階でのAWS構成図

AWSはさまざまなアプリケーションやミドルウェアの機能がサービスとして提供されており、従量課金型のWebサービスを素早く構築するのに適しているだけでなく、信頼性やセキュリティも高く、国内外での導入実績も豊富であるという点を考慮しました。

また、将来的にData-Masterの処理エンジンを各ユーザー企業のシステムとダイレクトに接続する可能性も想定して、サーバーやネットワーク構成を柔軟に変更・切り替えできる点も考慮して、AWSを選択しました。

初期フェーズにおけるインフラ設計・基本設定や本番開発フェーズでのWAN構築などを支援

サーバーワークスは具体的に、どのような技術支援をしたのでしょうか。

サービス企画・開発の初期フェーズにおけるインフラ設計・基本設定周りをサーバーワークスに依頼しました。さらに、その後の本格的なアプリケーション開発時には、外部のシステム開発ベンダーが安全かつセキュアにアクセスできる拠点間接続環境の構築サポートなどをお願いしました。

まとめると、主な支援項目は次の通りです。

  • ・初期フェーズのインフラ設計・基本設定の進捗サポート
  • ・セキュリティ要件に沿った設計と初期環境構築
  • ・社内とAWSのセキュアな通信をVPCにより実現
  • ・Amazon S3の設定
  • ・Amazon SQSの設定と開発
  • ・AWS Identity and Access Management (IAM)による認証の設定
  • ・環境ご利用までの技術サポート
  • ・AWSに関する技術情報の提供
  • ・開発ベンダー向けCradlepoint NetCloud(旧Pertino、クラウド型WANサービス)の提案と導入支援

技術力や経験だけでなく、ビジネス面でのサポート姿勢も評価

サーバーワークスに技術支援を依頼した理由を教えてください。

サービス全体の企画開発を迅速化すると同時に、限られた社内のリソースをサービスエンジンの設計・開発に集中投下するため、AWSに限らず各専門分野については外部の優れたリソースを活用するという方針でプロジェクトを開始しました。

AWSに関しては、これまで本番環境としての利用経験がなかったことから単なる設定や構築を代行するベンダーではなく、AWS上でサービスを開発するのに必要な知識や設計の基本的な考え方、インフラ最適化などを支援してもらえるサポートベンダーを求めていました。

サーバーワークスに相談したところ、AWSに関する技術力や経験が豊富なだけでなく、ビジネス面でも当社の方向性を理解してサービス企画にもアドバイスをいただけるとのことから、支援をお願いすることにしました。

サーバーワークスの支援に対する評価をお聞かせください。

当社からの要望や疑問に対して、丁寧かつ迅速に具体的な対応策を提示・提案してもらえたので、AWSインフラ部分がボトルネックとなるようなことがなく、サービスエンジンの設計・開発やユーザーインターフェースの実装に集中できました。

セキュリティやネットワークの設定などに関しても、複数の要件に対して適切な設定を提案してもらえたので、サービスの本番環境はもちろん、開発環境に関しても安全かつセキュアな環境を実現することができました。

また、サーバーワークスのエンジニアはコミュニケーション能力が高く、AWSの設定を当社内で一定レベルの対応ができるよう分かりやすく説明してくれたことも感謝しています。

サーバーワークスへの要望と期待

サーバーワークスへの要望や期待があればお聞かせください

AWSは単なるインフラではなく、アプリケーションやミドルウェアなどのサービスも提供されていて、今後のサービスの機能拡張にあたってはAWSサービスをよりよく理解してよいサービスを積極的に組み込むことが重要であると考えています。

インフラとアプリケーションの境目なく、AWSの潜在能力を最大限に引き出すことがポイントであり、当社としてサーバーワークスに対してさらに期待するところでもあります。

今後もビジネスパートナーとして、付加価値の高いサービスやサポートの提供に期待しています。

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※ この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数、およその数で記述しています。

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