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Amazon WorkSpacesによるWindows移行の事例

導入事例(ヤマハ発動機株式会社様)

ヤマハ発動機株式会社様

日本を代表する二輪車メーカー、マリン機メーカーの一つ。年商1兆6154億円(連結)、海外売上比率 約90%、従業員数 連結53306名、設立1955年。

「OS移行の一時救済策」、「標準シンクライアント」としてWorkSpacesを活用

ヤマハ発動機ではAmazon WorkSpaces(以下 WorkSpaces)をどう活用していますか。

ヤマハ発動機では、クラウド型仮想デスクトップでWorkSpacesを次の用途で活用しています。
1「Windows XPから7への移行の際の『一時的な救済策』」(すでに使用終了)
2「Windows7から10への移行の際の『一時的な救済策』」(予定)
3「シンクライアントの標準プラットフォーム」
現在の契約数は約100クライアントです(時期により変動有り)。サーバーワークスには、このWorkSpacesの導入と運用設計を依頼しました。

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Windows XPから7への移行の際に、WorkSpacesを活用

順番にお聞きします。用途1.「Windows XPから7への移行の際の『一時的な救済策』」とは具体的には。

大きくは「すぐにWindows7に移行できなかった一部のユーザー向けの『一時的な救済策』として、WorkSpacesを使ってXP環境を維持した」ということです。具体的には次のとおりです。

1. 2013年に全社の標準OSをWindows XPから7へ切り換えた。しかし一部の部署(以下 部署A)では「Windows XPでだけ動く業務アプリケーション」を使っていることが分かった。
2. 部署Aのパソコンをどうするか? OSはとりあえずWindows XPのままにした。さらにWorkSpacesを導入し、Windows7はそこから使うことにした。
3.部署Aは、メールなど日常業務はWorkSpacesのWindows7で行う。業務アプリケーションを使うときだけ、自パソコンにインストールされたWindows XP上で行う。
4. 部署Aは、「Windows XP専用業務アプリケーション」を1年以内(2014/1~2014/12)にWindows7版にバージョンアップする。
バージョンアップ後はWorkSpacesの使用を止める。部署Aは自パソコンをWindowsXPから7に切り替える。以上で部署AのOS更新(XP→7)は完了した。

この活用形式では:
1.「救済が必要なパソコンの台数を見積もる必要がない」
2.「救済後は直ちに使用を停止できる(無駄なライセンス費用がかからない)」

という2 点で、WorkSpaces の特性を有効利用できました。

クラウドなのでギリギリまで台数見積もりが不要

利点1.「パソコン台数の見積もりが不要」とは?

WorkSpacesはクラウドサービスなので、事前に導入台数を厳密に見積もる必要がありませんでした。

当初、Windows XPを必要とする救済対象パソコンは「百数十台」と予測されていました。しかしその後、各部門に詳しくヒアリングするうち台数は次第に減っていき、最終的には「数十台」になりました。

なぜ数が減ったのかという理由は次のように予測されます。

・「どの部門も最初は『ざっくりと多め』に台数を申請するが、本当の台数は実はもっと少ない」
・「時が経つにつれて問題だった『XP専用業務アプリケーション』のWindows7対応ができてしまい、そのパソコンの救済そのものが不要になった」
・「その業務アプリケーションの使用そのものが取りやめになった。それを使わないですむよう業務が再設計された」

これら前提を考慮すると、「OS移行の際の救済対象パソコン」については、「ギリギリまで台数が確定できない」ということになります。ということは、いつでも始められる(=ギリギリまで使用開始を待てる)、クラウドサービスを使うのが合理的ということになります。

仮にオンプレミスのシンクライアントを使うとすれば、ある程度、期間の余裕を持ってクライアントライセンスを手配する必要があります。今回の場合であれば「百数十台のライセンス」を用意することになり、膨大なムダが生じていたはずです。

役目を終えたら、すぐに使用を停止できる

利点2.「救済終了後は直ちに使用を停止できる」とは?

今回の「Windows XP→7移行の救済策」は、移行期間中だけ必要な「期間限定の需用」です。ということは、サービス利用の開始時期、終了時期を任意に決められるクラウドサービスを使うのが合理的です。

もしこれを「年間ライセンス」のような形で導入していたら、「使っていないのに費用が発生する」という無駄な期間(コスト)が発生していたでしょう。

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Windows 7から10に移行する際も、同じ形でWorkSpacesを活用する

WorkSpacesの用途2.「Windows 7→10 移行の一時救済策」とは具体的には。

弊社では近々、Windows 7から10への移行を行う予定です。その時も前回のWindows XP→7の移行の時と同じく、一時救済が必要なマシンが生じるでしょう。
その救済は前回と同様、WorkSpacesを使って行う予定です。

社内シンクライアントの標準プラットフォームとしてWorkSpacesを活用

WorkSpacesの用途3.「社内シンクライアントの標準プラットフォーム」とは。

これは「OS 移行時の一時的使用」とは別の「恒久的利用」の用途です。
弊社では、10年前から社内の一部パソコンをシンクライアントで運用しています。対象パソコンは、財務、調達、技術部門などセキュリティが重要になる部門のマシンで、台数は約100台です。
現在はこのシンクライアントを、WorkSpacesを使って実装しています。

WorkSpacesに乗り換えた理由

WorkSpaces以前は、どうやってシンクライアントを実装していたのでしょうか。

以前は大手ソフトウエア会社のシンクライアント製品(以下 製品A)を使っていました。しかしその製品はoffice 365との併用できなかったため、継続使用を断念せざるを得ませんでした。そこで後継プラットフォームとしてWorkSpacesを活用することになったのです。
そのように、やむなく(?)乗り換えたWorkSpacesですが、いざ使い始めてみると、非常に優秀なシンクライアントプラットフォームだと感じました。

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シンクライアントとしてのWorkSpacesの優位性

どんな優位性を感じたのでしょうか。

大きくは「本体コスト、維持コストの低さ」、「Windows OSライセンス費用の低さ」、そして「バージョンアップからの解放感」の3点です。
第一の利点、「本体コスト、維持コスト」ですが、まず製品Aは、そもそも本体のコストが高く、それに加えてバージョンアップの費用コスト、維持管理のコストもなかなかでした。また大がかりなシステムだったので、管理担当者も必要でした。
これら「オンプレミスならではのコスト」は、クラウドであるWorkSpacesに移行したことで大幅削減、あるいはゼロ化されました。
第二の利点、「Windows OSライセンス費用」ですが、どうもWorkSpacesの方が製品AよりもWindowsライセンスの扱いが上手いようです。WorkSpacesに乗り換えてから、シンクライアントのOSライセンス費用が削減されました。

最後の「バージョンアップからの解放」は、情報システム部門にとっての心理的な利点になります。WorkSpacesに乗り換えて、システムの所有も管理 もすべてAWSが代行してくれます。つまりハイパーバイザにあたる部分のバージョンアップが不要になったわけです。これは非常に解放感があります。
使ってみてWorkSpacesのシンクライアントプラットフォームとしての優秀性を、あらためて実感しました。

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サーバーワークスを起用した理由

ここまで「WorkSpacesへの評価」について聞きました。ここからは「サーバーワークスへの評価」についてお聞きします。最初の質問ですが、今回のWorkSpaces導入にあたり、「全部、自分でやる」のではなく、あえてサーバーワークスに設計やコンサルティングを依頼したのはなぜですか。

おっしゃるとおり、ただ導入するだけなら自力でできます。しかし、サーバーワークスに依頼すれば『正しく有効に導入できる』と考えたわけです。
私たち情報システム部門は、「自社の事業に資するためのIT活用の戦略策定、企画、立案」が本来業務であり、WorkSpacesなどクラウドサービスの導入については「一応はできる」ものの、「熟知している」わけではありません。
すべてを自前でやるよりは専門企業を起用して、「掛け算で成果を上げる」方が良いと考えました。

またWorkSpacesの導入も、表面的には簡単に見えても、実際に企業ネットワークの中に組み込んだ場合、思わぬ障壁、トラブルが起きるかもしれません。それを考えても、「ある種の保険」として、専門企業を起用するのが得策です。
実際、今回のWorkSpaces導入の過程では、やはりもろもろの問題が生じましたし。

実際に生じた障害

どんな問題だったのでしょうか。

具体的には次のとおりです。

1. 利用可能なIPレンジが限られており、このためWorkSpaces用に確保できるVPCが小さかった。当面、困る話ではないが、将来の拡張の阻害要因となるので、最初から「キレイな形に」整えるのが望ましかった。
2.構築を開始したところ、連携先のActiveDirectoryが、AWS Directory Serviceのラージプラン(当時最大のプラン)に収まらないオブジェクト数(16万オブジェクト)だった。このためWorkSpacesの認証が通らないなどの問題が発生した。
3.WorkSpacesクライアント不具合。終了時のエラー表示。NumLock不具合など。

いずれの問題もサーバーワークスの支援を得て、迅速に解決できました。ユーザー部門の業務に支障を来すことはありませんでした。

サーバーワークスへの評価

これまでのサーバーワークスの仕事ぶりへの評価をお聞かせください。

まずAWS技術については期待通りです。さすが専門企業です。
また他のクラウド企業に比べ、「企業の情報システム部門との付き合い方」を心得ているように思います。コミュニケーションが取りやすいですね。
さらに大石社長に確固たる理念がある点、社員のみなさんが個性豊かな点も魅力的です。共に仕事をすることで、こちらも成長できる感覚があります。

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今後のWorkSpaces活用計画

ヤマハ発動機での今後のクラウドおよびWorkSpacesの活用計画を教えてください。

クラウドを積極活用するようになったことで、「ITインフラの維持と確保」は、クラウドによって企業の情報システム部門の本来業務ではなくなりつつあります。ITインフラも水道や電気など一般インフラと同様に、「使うときだけ使う」という形が良いと思います。大きくは弊社のシステム基盤は「フルクラウド化」していくでしょう。
WorkSpacesも、さらに活用範囲が広がるでしょう。将来的には「社員が在宅勤務」「出先などでの出張勤務」の際の、ITワーキングプラットフォームとして使っていけると思います。

先輩ユーザーからのアドバイス

現在、WorkSpacesの導入を検討している企業に向けて、「先輩ユーザーからのアドバイス」などあればお聞かせください。

まずは「バージョンアップのない世界は素晴らしい。みなさんもぜひ!」と言いたいところです。
WorkSpacesに限らず各種クラウドサービスは、あれこれ考えずとりあえず試してみれば良いと思います。それも面倒なら、AWSサミットにいってサーバーワークス大石社長の話を聞くことから始めてもいいかもしれませんね(笑)

今後の期待

サーバーワークスへの今後の期待をお聞かせください。

ヤマハ発動機では、今後とも各種クラウドサービスを積極活用していく方針です。サーバーワークスには、その取り組みを、優れたAWS技術と提案を通じて後方支援していただけるよう希望します。今後ともよろしくお願いします。

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写真左右は、サーバーワークス社員

※ この事例に記述した数字・事実はすべて、事例取材当時に発表されていた事実に基づきます。数字の一部は概数、およその数で記述しています。

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